皆さまはじめまして。タイトル通り、靭帯を断裂しまして……。
その経緯とリハビリの様子を記録していこうと、ブログを始めることにしました。
よろしくお願いします。
話は遡ること2025年の元旦、私は新年の走り初めに鎌倉へランニングに出かけました。
去年から始めたダイエット目的のランニング。
月間走行距離は100km、200kmと伸びてゆき、走ることが習慣になっていました。
2024年は、走力も自信もついた1年だったと言えます。
「2025年はフルマラソン完走を目標にしよう」と、この日も息巻いて靴ひもを結んだわけです。
往路は順調そのものでした。
新年の凛としながらどこか暖かい空気を走り抜け、八雲神社を横切り、若宮大路を通り鶴岡八幡宮の前に到着。
参拝も考えましたが、後日家族と訪れる予定だったため、そのまま引き返し、復路はルートを変えて朝比奈切通し(鎌倉から金沢区へ繋がる舗装のない山道)へと足を進めました。
思えば、この判断が大きな過ちだったのでしょう。
20分ほど走り、朝比奈切り通の半ばに差し掛かった頃です。
ほんのり濡れた岩場に足をかけた時でした。
ズルッっと足を滑らせたと同時に、 「ボキッ」と鈍い音が身体から響きました。
瞬間、激痛が走り、右膝を抱えて倒れ込みました。
痛みで、声を出すことすらができません。
サッカーでは、選手が膝を抱えてピッチに倒れ込み、そのまま担架で搬送される。
そんなシーンを見かけますが、まさにあのシーンが私の身に起きたわけです。
数分が経って痛みが落ち着いてくると、右膝の内側で何かが外れている感覚がしました。
膝を90度以上伸ばそうとすると、激痛が走り伸ばすことができません。
もちろん、両足で立つこともできません。
「膝のロッキング」という症状をご存知でしょうか?
簡単に言うと、膝の関節内に骨や軟骨、半月板が引っかかり、動かなくなる状態のことです。
つまり、膝が脱臼したような状態と言えばイメージしやすいでしょうか。
実は3年前の登山中にも似たような経験をしたことがありました。
その時は無理やり膝を伸ばし、嵌めることで何とか元に戻しました。
ししおどしに似た快活な「パコッ」と乾いた音と、膝に走る激痛と振動はなかなか忘れられません。
それが古傷となり再発したわけです。
さらに、前回よりも重傷で、その場でどうこうできる症状ではありませんでした。
さて、状況を整理しましょう。
夕暮れ間近、車も入れない、誰もいない山道、 そして右膝を動かせない…
まぁ、プチ遭難ですよね。
まず救急車を呼ぶべきか悩みました。
しかし、場所は車が入れない山道。
仮に呼んだとしても、救急車を国道沿いに停め、救急隊員さんには歩いてきてもらうしかありません。
「そんな手間を取らせることをお願いすることは申し訳ない」と、その時は考えました。
幸い右膝以外は無傷です。
右膝を90度で一切動かさなければ、左手を支えにお尻を引きずり這う、
さらには、左足で片足ケンケンで移動することができることがわかりました。
そこで、家族に電話し状況を説明し、
「なんとか這って下山するから、国道まで車で迎えに来てくれ」と伝えました。
さあ、もう気合で下山するしかありません。
足場がしっかりした平地では立ち上がり片足ケンケンで進み、下り道ではお尻をついて這うように進む。
休憩を挟みつつ、少しずつではありますが何とか進むことができました。
しかし、暗がりの山道を一人で進むのはめちゃめちゃ怖い!
もともと、朝比奈切通しは軍事要所です。
道は険しく狭く、頭上には弓兵が構える櫓があちこち設置されています。
崩れそうな崖も何箇所もあり、茂みからはなにやら動物の足音が聞こえる。
「武士の幽霊が出そう」、「ここでイノシシと遭遇したら勝てない」、「崖が崩れてきたら回避できない」
普段は考えもしないリスク評価を計算し始めます。
ちなみに鎌倉にイノシシなんているわけありません。(いませんよね?)
動物を遠ざけつつ、恐怖に飲まれない方法はなにかないか。
そこで、スマホでブルーハーツを大音量で流し、鼻歌を歌うことにしました。
「ここは天国じゃないんだ、かと言って地獄でもない ♪」
「TRAIN-TRAIN 走って行け。 TRAIN-TRAIN どこまでも ♪」
今思えば、めちゃくちゃ皮肉の効いた選曲ですね……。
それから1時間半ぐらいでしょうか。
すっかり日が落ち、足下が見えなくなるギリギリの時間。
なんとか切り通しを抜けて国道沿いに辿り着きました。
そこで迎えにきてくれた家族と合流し、「無様な姿だね」と笑われ、車に乗り込みなんとか生還。
めでたしめでたしです。
さて、この後病院に辿り着くまでも一苦労あったのですが、それは次回の記事でお話するとしましょう。
長くなりましたので、一旦ここで締めます。
ご拝読ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
p.s.
皆さんも、どうぞくれぐれも膝にはお気をつけ下さい。